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自己破産とは?



自己破産とは、一般に、債務者の財産を清算するとともに、借金の支払義務を免除してもらう手続きをいいます。
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「自己破産」と聞くと、一般的にマイナスなイメージをお持ちになられるかもしれません。

しかし、実際は、自己破産手続は裁判所を通じて、多額の借金を抱えた人の自宅をはじめとする全財産を早期に固定しこれをお金に換えて債権者に公平に分配することで各債権者の損害を最小限に食い止めるとともに、自己破産者の借金を0にすることで自己破産者に生活の再建を促し、人生のやり直し(経済的更生)の機会を与えるという、国が法律で認めた救済方法です。

自己破産のメリット・デメリット


自己破産にマイナスなイメージをお持ちの方も少なくありませんが、実は自己破産をすることは一般的に思われているほどデメリットは少ないのです。下記に自己破産のメリット・デメリットをまとめましたのでご参照下さい。

自己破産のメリット 自己破産のデメリット

1.支払をしなければならないという精神的な負担から解放されます。
2.自己破産をすることで、借金・保証人義務など支払義務を全て免れることができます。
※税金、国民健康保険など免除の対象外になるものもあります。
3.保有している財産の中でも、一般的な家具・家電、購入から年数が経過した自動車など、財産としての価値が高くないものに関しては保有し続けることができます。
1.官報(政府発行)に掲載されます。
2.信用情報機関、通称ブラックリストに登録され、一定期間、お金を借りたり、ローンを組んだりすることができなくなります。
3.破産手続終了まで特定の仕事(例:警備員、保険募集人など)を勤めることができなくなります。
4.自動車や自宅不動産なども原則として換価対象となるため、手放さなければならなくなります。


自己破産をすることによって、選挙権がなくなったり、戸籍や住民票に破産の事実が記載されるなどといったことはありません。
また、官報には破産の事実が掲載されるものの、通常,一般の方が閲覧することはないため,債権者でないかぎり,友人や隣人等周囲の方に知られることはないと言えます。

同時廃止事件と管財事件について


自己破産の手続きには、同時廃止(どうじはいし)事件と管財(かんざい)事件(破産管財人が選任される事件)があり、手続の進行方法が異なります。 064.jpg

この2つの手続のどちらが選択されるのかについては各裁判所が破産申立後に決定しますが,基本的には、申立人の申立時の財産の有無や破産申立てに至る経緯等をも加味して裁判所が破産管財人の必要性を判断し,いずれかの手続きが選択されているようです。

同時廃止事件と管財事件の手続の違いを以下でご説明させていただきます。

①破産の流れ(同時廃止事件の場合)

1.債権者に受任通知(弁護士が破産申立ての依頼を受けたという通知)を発送します。

   ↓
通知が届けば、支払請求が止まります。

2.裁判所へ申立て

弁護士と相談しながら申立書を作成して裁判所へ提出致します。
その際、申立書を裏付ける資料を集めて提出することが必要になります。
  ↓

3.破産手続の開始決定、同時廃止

申立人が支払不能の状態であるかなどについて裁判所が審査を行い、破産手続の開始を決定します。その際,申立人が裁判官から質問を受ける審尋(しんじん)という手続きが行なわれることがありますが、この審尋には、申立代理人弁護士も同席することができます。
  ↓

4.免責(めんせき)手続

裁判所が申立人の債務の支払義務を免除するかどうかを判断します。免責不許可事由(免除が認められない事由)の有無を裁判官から個別に質問される手続きが行なわれることもありますが、破産管財人が選任されていない同時廃止事件では,特に申立人が個別での審尋を希望しない限り,複数人の債務者を裁判所に集めて一度に短時間で対応するケースが多く(集団免責審尋)、特段の事情が認められない限り裁判官の裁量で免責が認められることが多いようです。

※同時廃止事件の場合、申立てから免責許可決定までの期間は3~5か月になります。
※破産手続開始決定と免責許可決定については、官報に掲載が行なわれます。


②破産の流れ(管財事件の場合)

1.債権者に受任通知(弁護士が破産申立ての依頼を受けたという通知)を発送します。

   ↓
通知が届けば、支払請求が止まります。

2.裁判所へ申立

   ↓
弁護士と相談しながら申立書を作成して裁判所へ提出致します。
その際、申立書を裏付ける資料を集めて提出することが必要になります。

3.破産手続の開始決定

   ↓
申立人が支払不能の状態であるかなどについて裁判所が審査を行い、破産手続の開始を決定します。裁判官から質問を受ける審尋(しんじん)という手続きが行なわれることがありますが、この審尋には申立代理人弁護士も同席することができます。

4.破産管財人による換価(かんか)と債権調査

   ↓
裁判所によって破産管財人(弁護士)が選任されます。破産管財人は破産者の資産を換価(金銭に換えること)し、債権者に債権額に応じて公平に分配を実施します。定期的に裁判所において債権者集会が行なわれ、破産管財人から債権者に対して情報提供が行なわれます。申立人は破産管財人の業務に協力する義務がありますので、債権者集会にも出席しなければなりません。

5.免責(めんせき)手続

   ↓
債権者や破産管財人の免責についての意見を踏まえ、裁判所が申立人の負債の支払義務を免除するかどうか判断します。免責不許可事由の有無を確かめるために,集団ではなく債務者別に審尋期日が開かれます。債権者集会と別に審尋することもありますが、通常債権者集会と同期日に行なれます。法律で定められた免責不許可事由があってもその後の債務者の状況等を勘案し,裁判官の裁量によって免責が認められることが多いようです。


※管財事件の場合、申立てから免責決定までの期間は通常6か月から1年程度です。
※破産手続開始決定と免責許可決定については官報に掲載されます。


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